欧州刃物機械言語ツール(ETML)の導入は、木工業界に新たな章を開きます。ETMLはメーカーに依存しない標準化された工作機械・刃物用言語ツールであり、刃物データのライフサイクル全体(初期設定から再研削、再利用まで)をシームレスに管理することを可能にします。EUMABOISの主導のもと、VDMAの支援を受けて開発されたETMLは、機械と刃物間の通信のための統一されたオープンな標準インターフェースを確立します。
世界トップクラスの刃物メーカーである当社は、この標準規格の開発に参画しただけでなく、導入にも積極的に関与しています。AKE、Biesse、JSO、IMA Schelling、Kohnle、Holz-Her、Homag powered by tapio、Leuco、SCM、Weinigといった著名なパートナー企業と共に、ETMLの開発と導入において重要な役割を果たしました。
ETMLの中核をなすのはETMLスマートクラウドであり、検証済み刃物データをアップロード、管理し、機械に直接ダウンロードできる共有プラットフォームです。ETML準拠の各刃物には固有のシリアル番号が割り当てられ、正確な識別、効率的な機械設定、デジタルワークフローへの完全な統合を可能にします。ETMLが独自システムに勝る主な利点は、標準の開放性と柔軟性にあります。独自システムがデータ交換を特定のメーカー環境に制限するのに対し、ETMLはプラットフォームやメーカーを横断して一貫性のある検証済みかつ安全な金型データを利用できるユニバーサルプラットフォームを提供します。これにより機械と刃物の通信効率が大幅に向上すると同時に、世界中の顧客に利益をもたらす革新的なデジタルサービスの基盤を形成します。
ETMLの導入は単なる技術基準をはるかに超え、木工業界における相互運用性、効率性、透明性の新時代を切り開く鍵となります。顧客にとっての主な利点には、研削後も最新の刃物データにアクセス可能な、より迅速かつ安全な機械・刃物のセットアップが含まれます。これにより人的ミスとダウンタイムが大幅に削減されます。このソリューションは新たなデジタルサービスやビジネスモデルの基盤を形成し、メーカーに依存しない形で利用可能な、安全で標準化されたデータインフラを構築します。
ETMLを利用するには2つの条件があります。ETMLスマートクラウドに接続されETMLデータを処理可能な機械と、ETML準拠データをスマートクラウド上でデジタル提供できるツールです。つまり、両者が新たな「ETML認証済み」ラベルを取得していることが必要です。
ETMLは既に下記パートナー企業で利用されており、EUMABOIS全会員が自由にアクセス可能です。直接アクセスに加え、VDMA、Acimallなどの国内協会やその他の欧州加盟組織経由でも利用できます。